奈良県は、日本の歴史と文化が色濃く残る地として知られ、多くの神社仏閣が点在しています。
その中には、健康長寿や病気平癒のご利益で有名なスポットも数多く存在し、古くから人々の祈りを受け止めてきました。
本記事では、奈良県の中でも特におすすめの健康長寿や病気平癒にご利益がある神社仏閣を厳選して10ヶ所ご紹介します。
奈良の魅力を感じながら、心も身体も癒される旅を楽しんでみませんか?











心身ともにリフレッシュして、健康を手に入れましょう!
石上神宮(天理市布留町)


石上神宮(いそのかみじんぐう)は、大和盆地の中央東側に位置し、境内は常緑樹に囲まれ、神秘的な雰囲気が今も残っている神社です。
北には布留川が流れ、周辺には多くの古墳が集まる地域としても知られています。
石上神宮は日本最古の神社のひとつで、古代の有力氏族である物部氏(もののべし)の総氏神として、健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。
主祭神は、布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)です。
布都御魂大神とは、国を平定するために大きな功績を残した神剣「韴霊(ふつのみたま)」に宿られる御霊威のことです。「韴霊」とは、日本の神話(『古事記』や『日本書紀』)に登場する剣で、武甕雷神(たけみかづちのかみ)が持っていたとされています。
その後、この剣は、初代天皇である神武天皇が大和(現在の奈良県)に無事到着し、橿原宮で即位する際にも助けとなりました。
神武天皇は即位後、この剣の功績を称え、物部氏の祖先である宇摩志麻治命(うましまじのみこと)に命じて、宮中で祀らせました。その後、崇神天皇の七年(西暦約300年頃)、天皇の命によって、物部氏の祖である伊香色雄命(いかがしこおのみこと)が、この地(石上布留の高庭)に剣を移し、祀ったことが石上神宮のはじまりとされています。
このことから石上神宮は神剣に宿る御霊威をお祀りしているという珍しい神社なのです。
また、古代百済から献上されたとされる七支刀(国宝)をはじめ、重要文化財に指定されている貴重な宝物が数多く収蔵されています。
剣に縁のある神社なので、剣をモチーフにした授与品が取り揃えられているそうでう。参拝の際にはぜひチェックしてみてくださいね。











健康長寿・病気平癒のご利益だけでなく、起死回生のご利益でも有名なので、大きな試練を乗り越えたいときや、新たな一歩を踏み出したい時に参拝するのもおすすめです!
名称 | 石上神宮 |
住所 | 奈良県天理市布留町384 |
開門時間 | 5:30〜17:30 |
公式サイト | https://www.isonokami.jp |
アクセス | 「天理駅」より徒歩30分 コミュニティバスいちょう号「石上神宮前」より徒歩7分 |
薬師寺(奈良市西ノ京町)


薬師寺は、南都七大寺のひとつに数えられる寺院です。
天武天皇九年(680年)に、天武天皇が皇后・鵜野讃良皇女(後の持統天皇)の病気回復を願って建立を発願したお寺です。しかし、天武天皇は薬師寺の完成を待たずに崩御し、その後、即位した持統天皇が新しい都・藤原京に薬師寺を建てたそうです。
697年には、本尊である薬師如来の開眼法要が行われ、翌年には寺の建設が完了し、僧侶が住むようになったと『続日本紀』に記されています。
710年、元明天皇の命により都が藤原京から平城京へ遷されると、それに伴い薬師寺も現在の場所(平城京の右京六條二坊)へ移されました。当時の薬師寺は、天平時代まで「天下の四大寺」の一つとされ、金堂・東西両塔・大講堂などの主要な建物には裳階(もこし)がつけられ、その美しい建築様式から「龍宮造り」と呼ばれていました。
金堂には御本尊である薬師三尊像(国宝)をお祀りしています。
この薬師三尊像は、中央に薬師如来、向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩が並ぶ形で安置されており、仏教の「病を治し、安寧をもたらす」という教えを象徴し、健康への願いが込められています。
ほかにも、薬師寺には、多くの重要文化財や国宝が伝えられていますので、その荘厳な雰囲気をぜひ肌で感じてみてください。











薬師寺はその長い歴史の中で、たびたび火災や地震に見舞われ、多くの建物が失われてしまいましたが、創建当時の姿をそのままに残し、国宝に指定されている東塔は、「凍れる音楽」とも称されています。
名称 | 薬師寺 |
住所 | 奈良県奈良市西ノ京町457 |
開門時間 | 9:00〜17:00 |
公式サイト | https://yakushiji.or.jp |
アクセス | 近鉄「西ノ京駅」より徒歩すぐ |
新薬師寺(奈良市高畑町)
新薬師寺は、先ほどご紹介した薬師寺と名前が似ていますが、全く別の寺院です。
「新」というのは、新しいという意味ではなく、霊験あらたかなという意味だそうです。
奈良時代の天平十九年(747年)に聖武天皇の皇后・光明皇后が、聖武天皇の病気平癒を祈願して建立したと伝えられています。
創建当初は、1000人もの僧が住み、七堂伽藍と東西二基の塔が立ち並ぶ大寺でしたが、時代の変遷とともに衰退し、現在では本堂を中心とする小規模な伽藍のみが残されています。
しかし、創建当初の面影を今に伝える貴重な建造物や仏像が数多く現存し、特に本堂(国宝)は奈良時代の建築様式を色濃く残す貴重な遺構です。
本堂には、御本尊である薬師如来坐像(国宝)が安置され、その周囲を取り囲むように十二神将立像(国宝)が並んでいます。
十二神将とは、薬師如来の世界とそれを信仰する人々を守る大将で、1体に7000人の眷属を率いているそうです。激しい怒りを表したほぼ等身大の立像で、日本最古で最大と言われています。
また、十二の方角を守っていることから、干支(十二支)の守護神としても信仰されています。
そのため、自分の干支に対応する神将を見つけて手を合わせる参拝者も多く、病気平癒や厄除けのご利益を願う人々の信仰を集めています。十二神将の力強い姿は、まるで今にも動き出しそうな迫力を持ち、天平彫刻の傑作としても高く評価されているのです。











観光地から少し離れた場所に位置しているので、混雑を気にせず、リラックスして参拝できるでしょう。
名称 | 新薬師寺 |
住所 | 奈良県奈良市高畑町1352 |
開門時間 | 9:00〜17:00 |
公式サイト | https://www.shinyakushiji.or.jp |
アクセス | 奈良市内循環バス「破石町」より徒歩10分 |
大神神社(桜井市三輪)


桜井市に鎮座する大神神社(おおみわじんじゃ)は、日本最古の神社で日本有数のパワースポットとして知られている神社です。
神社の起源は『日本書紀』と『古事記』に記されています。
『古事記』によると、大神神社の御祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)は出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れ、「私を倭(やまと)の東の山の上に祀ってほしい」と三輪山に祀られることを望んだとされています。
『日本書紀』でも同様の話が記されており、大物主大神は大国主神の「幸魂(さきみたま)」と「奇魂(くしみたま)」、つまり別の魂であると名乗り、三輪山に鎮まりたいと願ったとあります。
これらの伝承から、大物主大神は大国主神の別の御魂として現れ、三輪山に祀られたとされています。
御神体が三輪山のため、本殿は存在せず、拝殿の奥にある三ツ鳥居から三輪山に向かって参拝を行ないます。三輪山は大物主大神が鎮まる神の山として信仰され、『古事記』や『日本書紀』だけでなく『万葉集』などの歌集にも多く詠われています。
そんな長い歴史をもつ大神神社で、病気平癒に御利益があるのは摂社の「狭井神社(さいじんじゃ)」です。
狭井神社は、三輪の神様の荒魂(あらみたま)をお祀りする神社で、力強いご神威から病気平癒の神様として信仰を集めています。
拝殿の左後ろにある薬井戸「狭井の御神水」は諸病に効くとされており、持ち帰ることもできるそうです。
毎年4月18日に行われる鎮花祭「薬まつり」は、上古から続く由緒ある神事で、特に病気平癒や無病息災を祈るための重要な祭りとされています。
そのほかにも、大神神社には金運アップのご利益がある「巳の神杉」(みのかみすぎ)など、さまざまなパワースポットがありますので、ぜひ時間をかけて巡ってみてください。











三輪山は、禁足の山として入山が厳しく制限されてきましたが、現在は入山にお参りすることもできるそうです。
名称 | 大神神社 |
住所 | 奈良県桜井市三輪1422 |
開門時間 | 9:00〜17:00 *授与所受付時間 |
公式サイト | https://oomiwa.or.jp |
アクセス | JR万葉まほろば線「三輪駅」より徒歩5分 |
春日大社(奈良市春日野)


春日大社は、奈良県屈指の観光スポットである奈良公園内に鎮座する神社です。
神山 御蓋山(春日山)を含む約30万坪の春日大社は世界遺産にも指定され、全国およそ3000社の春日神社の総本社でもある格式高い神社です。
奈良時代の神護景雲二年(768年)称徳天皇の勅命により、武甕槌命(たけみかづちのみこと)経津主命(ふつぬしのみこと)天児屋根命(あめのこやねのみこと)比売神(ひめがみ)の四柱の御本殿が造営され、藤原氏の氏神様として創建されました。
広い境内には摂社・末社あわせて62社があります。その中で、病気平癒・健康長寿にご利益があるのは、「水谷神社」です。
水谷神社は、素戔嗚命(すさのおのみこと)大己貴命(おおなむちのみこと)奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)をお祀りしており、難病・疫病を封じ、地相・家相・方位・日柄などから現れる災難を取り除き福徳円満をもたらすとされています。
京都八坂神社の本祀ともいわれる格式の高いお社で、その霊験あらたかなご神徳から、古くより多くの人々の信仰を集めてきました。
また、拝殿の子授け石には子宝に恵まれるご利益があるそうなので、病気平癒だけでなく安産や子授けを願う参拝者も多く訪れています。
そのほかにも、春日大社にはさまざまなご利益を授けてくれる神社があるので、叶えたい願いによって摂社・末社を巡るのがおすすめです!











春日山原始林は国の特別天然記念物に指定されていて、「神の使い」とされる鹿が生息している春日の神域は、神秘的な空間で、歴史や信仰の重みを感じることができる特別な場所です。
春日大社に参拝に訪れたら、若宮十五社めぐりとともに、水谷九社めぐりもぜひ体験してみてください。
春日大社には御本社(大宮)にお祀りされている四柱の神様のほか、霊験あらたかな摂社・末社が合計で62社もあります。その中でも、境内の南側に鎮座する若宮様は、古くから参拝者が様々な思いを抱えて巡礼をした特別な場所として伝えられています。
若宮様の周辺には、人の一生で直面する困難や試練を守り導いてくださる神々が集まっており、若宮様を中心に鎮座されています。若宮十五社は、春日大社の摂社・末社としてそれぞれ異なるご利益を授ける神々が祀られており、これらの神社を一つひとつ参拝することで、さまざまな願いが叶うとされています。
また、水谷九社めぐりは、春日大社の摂社である水谷神社とその周辺に鎮座する9つの神社を巡るもので、特に病気平癒や健康長寿、厄除けにご利益があるとされています。川のほとりに鎮座する水谷神社周辺では龍神信仰が盛んであり、厄除けや開運の神々が祀られているため、心身を清め、健康を願うには最適な巡拝です。
静かな参道や自然豊かな景色を楽しみながら、時間をかけて一社ずつ巡ることで、心身ともに浄化される貴重な体験ができます。春日大社を訪れた際は、ぜひ若宮十五社めぐりと水谷九社めぐりを体験し、それぞれの神々のご神徳を授かってみてはいかがでしょうか?
名称 | 春日大社 |
住所 | 奈良県奈良市春日野町160 |
開門時間 | 6:30〜17:30 *3月〜10月 7:00〜17:00 *11月〜2月 |
公式サイト | https://www.kasugataisha.or.jp |
アクセス | 奈良交通バス「春日大社本殿」より徒歩すぐ 近鉄奈良線「奈良駅」より徒歩25分 |
墨坂神社(宇陀市榛原萩原)


墨坂神社は、日本最古の健康の神様として知られている神社です。
『古事記』によると、崇神天皇9年の春、国中に疫病が広がり、多くの人々が命を落とし、国が滅びそうなほどの危機に陥りました。
ある夜、天皇の夢の中に神の使いが現れ「赤盾八枚・赤鉾八竿をもって墨坂の神を祀り、黒盾八枚・黒鉾八竿をもって大坂の神を祀れ」とのお告げがあり、これに従い、神々を祀ったところ、疫病はすぐに収まり、国は安泰になったと伝えられています。
この墨坂の神が墨坂神社の御祭神であり、大坂の神は現在の奈良県香芝市逢坂にある大坂山口神社の御祭神です。
こうした故事から、墨坂神社は古くから病気平癒や厄除けの神社として広く信仰されてきました。
また、墨坂神社は東国への玄関口に位置しており古代の交通の要所であったことから、疫病の侵入を防ぐだけでなく、旅の安全や地域の守護神としても信仰されてきました。そのため、現在でも交通安全や方位除けを祈願する参拝者も多く訪れるそうです。
また、境内の龍王宮から湧き出でる「波動水」というものがあります。この神水は、水の神様の御神徳を頂いた墨坂神社の御神水です。
肉体をはじめ神霊を清めて頂く霊験高い御水で、墨坂大神様の御神徳である健康へと導いてくれる神水でもあるそうです。
「名水・やまとの水」に奈良県から認定されているので、参拝の際にはぜひこの神水を持ち帰るのがおすすめです!











社殿をくぐったすぐそばにある大きなスギの木は、触れると不思議と心が癒されるそうなので、触れてみてくださいね。
名称 | 墨坂神社 |
住所 | 奈良県宇陀市榛原萩原703 |
開門時間 | 境内自由 |
公式サイト | https://sumisaka-jinjya.jp |
アクセス | 近鉄「榛原駅」より徒歩約10分 |
大安寺(奈良市大安寺)


大安寺は、聖徳太子が平群郡額田部に熊凝精舎を創建したことに始まる日本最初の官立寺院で、南都七大寺のひとつに数えられている寺院です。
時代とともに寺の場所や名称が変わり、百済大寺、高市大寺、大官大寺と移り変わりながら発展し、最終的に平城京に移され大安寺と名付けられました。
奈良時代には、国の重要な仏教寺院として多くの僧侶が集まり、仏教の学問や修行の中心地となりました。
特に、東大寺大仏開眼の大導師を務めたインドの僧の菩提僊那(ぼだいせんな)や唐の道璿(どうせん)は大安寺に滞在し、日本の仏教発展に大きく貢献したことで知られています。
かつては、25万平方mの広大な敷地を有し、日本の仏教の中心地でもあったと言える大安寺は、現在境内の広さは最盛期の約25分の1となり、南都七大寺の中では逆に一番小さいお寺となってしまいましたが、がん封じ祈願をきっかけに徐々に参拝者が増えてきています。
大安寺は、国家が管理する官寺であったため、「国家の安泰と人々の安寧を祈る」という重要な役割を担っていました。
特に、医学がまだ発達していなかった時代、病気は現在以上に恐れられる存在でした。そのため、大安寺は、悪病や難病、人々を苦しめる病を鎮めるための祈りの場 として多くの人々の信仰を集めていた歴史的な背景から、「病を封じる寺」 として知られるようになり、現代では特に 「がん封じの寺」 として広く信仰されるようになったのです。
大安寺では、年に二回「がん封じ笹酒祭り」が行われ、一万人を超える参拝者で賑わいを見せるそうですが、がん封じの御祈祷は毎日行っているそうなので、気軽に参拝に訪れてみてください!











授与所では、お守りやお札に加えて、お箸や笹酒など種類が豊富ですので、こちらも忘れずにチェックしてみてくださいね。
名称 | 大安寺 |
住所 | 奈良県奈良市大安寺2丁目18-1 |
開門時間 | 9:00〜16:00 |
公式サイト | https://www.daianji.or.jp |
アクセス | 奈良交通バス「大安寺」より徒歩10分 |
唐招提寺(奈良市五条町)


唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上が、天平宝字三年(759年)に戒律を学ぶ人々の修行の道場として開かれたのが唐招提寺の始まりです。
鑑真和上の私寺として始まった当初は、講堂や経蔵・宝蔵があるだけでしたが、8世紀の後半に弟子の一人であった如宝の尽力により、金堂が完成したと言われています。
この金堂は、奈良時代の貴重な木造建築として現存し、国宝にも指定されています。
堂内には、御本尊である盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像が安置されています。これらは、いずれも国宝に指定されており、天平時代を彷彿させる厳かな雰囲気に包まれています。
唐招提寺では、季節の移ろいと共にさまざまな年中行事が行われていますが、その中でも特におすすめなのは「中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)」と「うちわまき」です。
中興忌梵網会は、毎年5月19日に行われる行事で、鎌倉時代に戒律復興運動を推進した指導者の一人であり、鑑真和上が伝えた戒律を厳守する生活を送られた、唐招提寺中興の祖・大悲菩薩覚盛上人のご遺徳をしのぶもので、法要と舞楽奉納が講堂で行われます。
その後、鼓楼から数百本の団扇がまかれる「うちわまき」が行われます。このうちわは、病魔退散や魔除けにご利益があるとされ、毎年多くの人が訪れるそうです。
また、唐招提寺は奈良時代の貴重な文化財を数多く所蔵しており、寺院全体が歴史と文化を感じさせる空間となっているので、境内を歩くだけでも心を落ち着けることができるしょう。
名称 | 唐招提寺 |
住所 | 奈良県奈良市五条町13-46 |
開門時間 | 8:30〜17:00 |
公式サイト | https://toshodaiji.jp |
アクセス | 奈良交通バス「唐招提寺」「唐招提寺東口」より徒歩すぐ |
壷阪寺(高市郡高取町)


壺阪寺は、西国三十三所観音霊場の第六番札所で真言宗の寺院です。
『南法花寺古老伝』によると、大宝三年(703年)に元興寺の僧であった弁基(べんき)上人がこの山で修行をしていた際に、愛用の水晶の壺を坂の上の庵に納め、感得した観音像を刻んで祀ったのが始まりといわれています。
境内からは藤原宮(694〜710年)の時期の瓦が出土しており、当時からこの地に寺院があったことがうかがえ、その後、元正天皇の勅命により、壷阪寺は祈願寺となりました。
平安時代には、壷阪寺は長谷寺と並ぶ定額寺(国が公認した寺院)に指定され、貴族たちの信仰を集めました。特に清少納言は、『枕草子』の中で「霊験あらたかな寺」として、筆頭に「壷坂寺、笠置寺、法輪寺」を挙げています。
そんな壺阪寺の御本尊は、十一面千手観世音菩薩で目の病気を癒すご利益がある観音様として信仰されており、「目の観音様」として全国各地から多くの参拝者が訪れます。
眼病封じの祈願朱印の授与やめがね供養観音での法要など、目にまつわる特別な祈願や供養が行われているのも、壷阪寺の特徴です。
また、壺阪寺は社会福祉活動を積極的に行っていることでも有名で、日本最初の養護盲老人ホーム「慈母園」の設立やインドでのハンセン病患者救済活動を長年にわたって続けているそうです。
参拝だけでなく、壷阪寺が持つ深い精神性や慈悲の教えに触れることで、心が温かくなるような体験ができるでしょう。











春には桜、秋には紅葉と四季折々の美しい景色が楽しめる場所でもあります!
名称 | 壺阪寺 |
住所 | 奈良県高市郡高取町壷阪3番地 |
開門時間 | 8:30〜17:00 |
公式サイト | https://www.tsubosaka1300.or.jp |
アクセス | 近鉄電車「壷阪山駅」より車で約10分 奈良交通バス「壷阪寺前」より徒歩すぐ |
橿原神宮(橿原市久米町)


日本最古の正史ともされる『日本書紀』において、日本建国の地と記された橿原。
第一代天皇の神武天皇が今からおよそ2680余年前に畝傍山(うねびやま)東南の麓に橿原宮を創建し、即位された地として知られています。これが日本の歴史において、「日本建国の地」とされる由来です。
そんな橿原の地に鎮座する橿原神宮は比較的新しく、明治二十三年(1890年)4月2日に創建されました。
互いに争うことのない、永遠に困窮しない国を実現するため、九州の日向国・高千穂から国の中心地を目指して東へ向かい、さまざまな困難に直面しながらも、国を平定したという神武天皇の偉業を讃え、橿原宮の跡地に神宮を建立したいという願いが、明治時代に民間の有志たちから持ち上がりました。
この請願に深く感動した明治天皇が神武天皇を御祭神としてお祀りし、橿原神宮を創建しました。
様々な困難の末にも、大業を成し遂げられたということから神武天皇は運勢強大な方であったとされており、橿原宮に即位されてから、御在位76年、実に127歳の御長寿を全うされたと伝えられています。
そのため、橿原神宮では開運招福・健康長寿のご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れます。
そのほかにも、宝物館では明治天皇ゆかりの品々や、橿原神宮の歴史を伝える貴重な文化財が展示されているので、ぜひこちらにも足を運んでみてくださいね。











畝傍山は、香具山や耳成山とともに大和三山の一つとされており、万葉集にも詠まれた歴史ある山で、古代から神聖視されてきたそうです。
名称 | 橿原神宮 |
住所 | 奈良県橿原市久米町934 |
開門時間 | 6:30〜17:30 |
公式サイト | https://kashiharajingu.or.jp |
アクセス | 近鉄「橿原神宮前駅」より徒歩10分 |
まとめ
ここまで、奈良県で病気平癒・健康長寿にご利益のある神社仏閣をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した神社やお寺は、それぞれに長い歴史や信仰の背景を持ち、多くの人々の健康や長寿を見守り続けてきました。
参拝することで、心が落ち着き、前向きな気持ちになれるのも神社仏閣の魅力のひとつです。
体調を整えたいときや、大切な人の健康を願うときに、ぜひ奈良の神聖な場所を訪れてみてはいかがでしょうか?